
結論から言うと、今回の話のミソは「性能を高めるよりも、運用シーンに合わせてFITを作ろう」ということです。もっと言えば「運用するシーンを作り上げて、それに合わせてFITを作ろう」ということになります。
さて、初心者さんが最近増えてきて、ヘルプチャンネルなどでFITの質問を受けることがあるでしょう。10連ミッションを一通りやると(というか軍事(応用)の最後で)駆逐艦というフリゲートよりも強力な艦船をもらうことができます。それに乗って、さぁミッションだ、探検だ・・・とその前に、装備をつけよう、というわけ。
しかし私は「駆逐艦もらってミッションとかやりたいんですけど、どんな防御モジュールつければいいですか?」という質問には非常に歯切れが悪いです。もちろん答えることはできるんですが・・・なぜかというと本質的には私の解答は「別につけなくてもよい」だからです。
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KAMIKAZEをしろというわけでも、駆逐艦といえばそういう運用というわけでもありません。
駆逐艦でミッションなどをやろうと思った場合、Lv3まで行くとさすがに相手のHPの都合上厳しくなります。この場合は巡洋艦、あるいは巡洋戦艦にグレードアップしていくことになるわけです。じゃあ駆逐艦はLv2くらいですか?と言われれば、Lv1〜Lv2は駆逐艦の性能的には楽勝です。Lv1とLv2はほとんど難易度の差がなく、フリゲートなら差を実感できるかもしれませんが駆逐艦ではほとんど実感できません。
そして駆逐艦のボーナスも影響しています。どの駆逐艦も純粋に「射程が伸びる」であるとか「ミサイルが長く飛ぶ(これも射程アップ)」「ドローンの速度が速い(ドローンが素早く遠くまでいく)」のように、近距離よりもむしろ遠距離の攻撃に向いています。
つまるところ、Tech 1の駆逐艦をミッションなどで使おうとした場合「敵の強さ的には楽勝レベルの艦船で、しかも遠距離から攻撃できる」上に「ステップアップしていくならわりと早くお役御免になってしまう」という生きづらさを抱えていることになります。これが探検だとかWHに特攻したいだとか、そういうことならまた話が変わってくると思うのですが、どうしてもNPCとガチガチ殴り合うよりは「火力と射程強化をマシマシにして、敵が近寄ってくる(攻撃してくる)前にじゃんじゃん沈めてしまえ」という運用スタイルになるわけです。Lv1〜Lv2ミッションはそのあたり非常に優しく、サイトにランディングすると敵が即攻撃してこない=遠距離にいる、という特徴もこのスタイルの運用を容易くしています。
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じゃあどうしてそれを言わないのか。それはもう、いろいろ必要だからです。
「接近してくる相手を速度で優先順位つけて的確に撃沈していく技術」とか「うまいこと距離を空けつつ射程距離を維持する操船」とか
「素の状態で撃たれてHP減っても、相手のDPSを予想してここまではOKという線を引くことができる感覚」「仮にアーマーやHullまで踏み込んでも平然と戦える精神力、そしてそのリカバリー知識(近くに城塞があるとか)」であるとか「しくじってヤバくなったら素早くワープして逃れることができる技術」であるとか、そもそも「それを可能にするある程度のスキル」もあります。これらの習得は難しいことではなく、何度かミッションをやっていればなんとなくわかってくるものです。しかしもちろん、最初から持っているものではありません。
なので「そーいう技術がまだ身についていないことを踏まえつつ、おすすめのFITは・・・」と考えるとどうしてもいくつか防御モジュールを積むことになります。しかしそれは敵を処理する火力を減らすことで、これは必然、敵からの攻撃を受ける(接近される)ことを許してしまうことになります。遠距離に向いた武装は近距離では当たらなかったり火力が足りなかったりというデメリットが多く出てしまい、それをリカバリするために攻撃に耐えながら距離を取る、というような運用になってしまいます。こうなると何がなんだかわかりません。攻撃に耐えるために火力を減らしたのに、今度は火力を維持するために攻撃に耐えることになっています。
なのでこの線引きは非常に難しいです。また、慣れてくると「操船うまくなって一方的に敵を倒せるようになった。アーマー防御ガチガチに固めているけどちょっと削られたくらいだな。でも今まで撃たれてきたし念のためにつけておこう」と防御寄りのFITに傾倒してしまい、Lv3、Lv4と上がっていく際も耐えなくてもよい攻撃まで耐えるようなことになってしまいかねません。
PvPや探検など攻めのFITに転向するのが難しくなるだけでなく、単純に攻略速度も落ち、収入にも影響してしまいます。
できれば早い段階で「テクニックでカバーできる部分はFITで補わない」からの「FITの効果を抜群にするためにテクニックを使う(戦闘状況を作る)」というところに目覚めてほしいという思いがあり、前述の難しさもあって私の歯切れは悪くなる一方ということです。
もちろん相手が強いので防御をガッチガチに固めなきゃいけない、という場合もあるので火力に特化すればいいわけでもなく、FIT道はとても奥が深いのです。